最近の野菜は、促成栽培や温室栽培されたものが主流です。そのため、昔の野菜に比べてビタミン、ミネラルが少なくてっているといわれています。
そうした栄養素の不足を補う健康食品として、人気が高いのが青汁です。青汁とは、ケール、モロヘイヤ、大麦若葉、コンフリーなどの濃い緑色の葉菜を絞ってジュースにしたものです。広い意味では野菜ジュースの一種といえますが、ふつうの野菜ジュースよりもビタミンA、ビタミンC、鉄分、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどを豊富に含んでいます。
青汁は一般的に風邪や肺炎などの呼吸器疾患を予防したり、貧血の予防や治療に効果があるほか、イライラや不眠の解消、疲労回復などにも効果があるといわれています。
その一方で、慢性腎不全などの患者が青汁を摂取することの危険性は、腎機能が低下しているためにカリウムが十分に排泄されず、高カリウム血症を引き起こす可能性があると指摘されています。
青汁について、もう一つ注意しなければならないのは、ワーファリンとの相互作用です。ワーファリンは、ビタミンKの働きを阻害することにより抗凝血作用を起こしますが、ビタミンKを多量に含む食品を摂取すると、ワーファリンが血液凝固因子の合成を抑えきれなくなり、抗凝血作用が弱まることが知られています。その代表的な例は納豆ですが、ホウレンソウやブロッコリーなどの緑黄色野菜、ワカメなどの海藻類にもビタミンKは多く含まれています。青汁のビタミンK含有量は原料によって異なりますが、例えばモロヘイヤの青汁には、ホウレンソウやブロッコリーの約三倍のビタミンKが含まれています。濃い緑色の葉菜を絞ったジュースである以上、どの商品にも相当量のビタミンKが含まれていると考えた方が良いと思われます。最近は、青汁という言葉を使わず、「○○グリーン」などと銘打った商品もあるので、飲まれる方は十分に注意を払って下さい。