薬の相互作用

第17回 薬の相互作用

石巻薬剤師会 理事 木村 俊宏/2017年2月17日(金)公開

同じような働きの薬を数種類同時に飲むとその効果は強く現れ、逆の働きの薬を飲み合わせれば効果が現れにくくなります。また、たくさんの種類をのむことによって、一つ一つでは出ない副作用があらわれてくるということもあります。

このような薬の飲み合わせの効果を相互作用といいます。

恐ろしいのは、2種類の薬を飲めばその効果が1+1=2だと思っていると、3にも4にもなることがあり、薬の効果より副作用が現れる危険性が高まることです。また、せっかく薬をいろいろ飲んでいるのに薬同士が効果を打ち消して効果が出ないというのも困ります。

それから、薬と薬だけでなく、薬と食べ物や飲み物、嗜好品などでも、薬の作用が強くなったり弱くなったりすることもあり、注意が必要です。

例えば、ワーファリンと納豆、クロレラ他。カルシウムj拮抗剤とグレープフルーツjジュース。ジゴキシンやテオフィリン他と健康食品のセント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)...。

では、薬の相互作用を防ぐにはどのようにしたらよいのでしょうか?

2ヶ所以上の病院の医師から薬が処方される場合に、全く同じ薬がだぶって出てれば患者さんもわかると思います。でも医療用医薬品で内服薬だけでも1万品以上あるので、同じ効果で名前の違う薬がだぶって出ても、見た目だけではとてもわかりません。また、全く同じ成分、含量の薬なのに、たくさんの製薬会社が別の商品名で売っている薬もたくさんあります。当然見た目で判断することはできないし、無意味なことにもなります。

相互作用は、全く予想もつかない薬同士の組み合わせで起こることも多いので、やや専門的な知識が必要になります。二人以上の医師にかかるときは、一方で出ている薬(目薬や塗り薬についても)を他の医師に見せるなり、『お薬手帳』を持っていれば、それを見せるなりしていただくと良いと思います。

ともかく、心配だなと思ったら、医師や薬剤師に、一緒に飲んでも大丈夫かどうか相談してみてください。